2022-01-01から1年間の記事一覧

ずぶ濡れの思い出

最近毎日ものすごく孤独を感じる。そしてとにかく眠い。電車移動が嫌い。今日は服を買うのを我慢した。似合ってるのかよく分からなかったしこれでいいか。最近は忙しくてあんまり自分の時間がない。でも別に誰といても何をしててもこのぼんやりとした不安が…

気が付けば

19歳で死ななかったのなんでだろうね。19歳で死ななかった私への罰が一生体に突き刺さって今もまだ抜けない。可愛くもなければ特別不気味にもなれない中途半端な私に、そんな私に、どうやったらちゃんと人を大事にできるのでしょうね。私には決定的に余裕が…

嫌な記憶に魚の名前をつけよう

私は嫌な記憶は鮮明に覚えているし折々で思い出すけど、楽しかったことや嬉しかったことはもやがかかったようになってしまう。「もしかして気のせいだったのでは?」とすら思う。きっと夢だったんだ。夢だったことにしてしまう。だから初対面から一、二度ほ…

超一方的完全勝利

先週の散々な激務を終わらせてくたびれきった体でベッドに沈んでいる。そのせいで変なことを書きたい。 夜の私は昨日の夜の私よりも綺麗になろうとしていて、明日の私は今日の夜の私よりももっと可愛くなれる、はずで、その予定はきっと侵されることはない。…

19歳-22歳

19歳のあなたは好きな大学に入ってなんでもしてやるぞと息巻いていた。何者にでもなれると思っていたのでしょう。でもあなたはすぐにどれだけ手を伸ばしても届かない次元にある存在に気が付く。あなたは常に自分を何かの模倣品のように感じ、いつも誰かの百…

俺は人間を辞めるぞ

この数年のことを振り返ってみると、散々あった暗いニュースや最悪な事件ばかりを思い出して感情が湿ってしまった。色んなことがあったけど、今でも鮮明に思い出すのは、2020年に起こった大学生によるホームレス殺害事件だった。事件の詳細は知れば知るほど…

部屋いっぱいの陰気

この秋はいろんな考え事をしていて苦しかった。たくさん泣いてしまったので、逃避した先でできたものを数個だけ紹介します。五・七・五・七・七の三十一文字は、単なる感情の吐露を物語にしてくれるようで良いです。 約束は破ってしまえば燃えるゴミ 破れな…

白い野のなか

私が23年間生きてきて一番嬉しかったことは、行きたいと心の底から思った大学に入学できたことでした。両親が私をよく導いてくれたということもあってか、私は自分の強い意志というようなものがあまりない子どもでしたが、そんな私がそれまでの人生の中で唯…

模倣品

地元じゃ誰かの何かになることができない。仲の良い友達は数人いるけど、私は彼女たちへの熱情をいつも後ろ手に隠している。 酒や煙草や香水の匂いで誤魔化さなくても輝いていた私たちの日々、あの時間は、限りなく閉鎖的で、この上なく尊いものだった。語る…

人間を被る

可愛いは正義、可愛いは呪い、わたしはずっと、生まれてからずっと、23歳を迎えた今になってもずっと、可愛いという茨の言葉に縛られて傷付き続けている。自分の精神上の(あるいは外見上の)美醜に馬鹿みたいに鈍感で無自覚で、それでいて爆裂に自己肯定感…

さみしい神さま

わたしは犬が死んだときも猫が死んだときも、神さまは美しい順に奪っていくんだということをとにかく実感して、痛いくらい思い知って、これを痛感と呼ぶのだということを体で理解した。わたしの周りの美しいものはどんどん枯れていく。この部屋で育てた植物…

Felis

猫が死んだ。私の猫が死んでしまった。 体の小ささの割に誰よりも気高い私の猫は、つい先日の昼中に、人に看取られることなく逝ってしまった。きみはそれを選んだのか。最後まで一度だって頑張れとは言えなかった。激痛と苦しみのあいだできみがまどろんでい…

暮らすということ

たぶん誰もが一度は聞いたことがあるだろう井伏鱒二の「さよならだけが人生だ」という言葉は、井伏本人の名前を置いたまま一人歩きしている感じがある。(正確にいうと井伏が漢詩を訳した時にうまれた言葉なんだけど)私はこの言葉に対して「幸福が遠すぎた…

木星

教員として働き始めてから数ヶ月が経った。暮らしも慣れてきて、出勤のためにわたる道もルーティンの一部のようになってきた。 想像していたよりも遥かにひとは何かを抱えているらしい。気楽そうに見える者も、無償の優しさを振り撒く者も、すぐには手放すこ…

待ち合わせ

いつも私がいるべき場所はここじゃないような気がしていて、でもじゃあどこならいいのかと問われると答えられない、私はいつ誰とどこにいてもふとした拍子に砂漠のことを考える。自分自身の肯定作業のために人生なんかに誰が付き合ってくれるっていうんだろ…

誰かの神様になりたかった

辿り着けなかったところがたくさんあって、それをある種の概念や価値観の違いだと片してしまうには陳腐すぎるくらい、私は私の脳の作りだとか感性だとかに絶望してきた。 生まれ生き死ぬ、その三つの手順をすべて踏み終わったら、人は次のステップに行けるの…

屈伸 欠伸

学生じゃなくなってしまった。春は追い詰められる。夏は橙色の西日に責められているような気がする。 大学生活は何をするときも夢見るようで、混沌としていて、一心不乱だった。文学は私の命綱のようなもので、多分、本当に全く学問に興味がない人間として生…

心地よい生活

そういえば大学最後の夏休み直前、試験が終わった日に、友達とまでは呼べないくらいの知り合い2人と芥川の特別企画展を見に行った。展示の中央には芥川の生前の住居の模型が置いてあり、木造のそれを興味深く見て、私がぽつりとこんな家に住みたいなぁと漏ら…

週末のために

好きな男と付き合ってから私と好きな男はずっとくっついていて、くっついたままダラダラとおでかけをしていた。好きな男は私の手を引きながら、時には腰を抱きながら、前から来る通行人を避けさせたりした。そうやってくっついたまま目的もなくダラダラと歩…