ずぶ濡れの思い出

最近毎日ものすごく孤独を感じる。そしてとにかく眠い。電車移動が嫌い。今日は服を買うのを我慢した。似合ってるのかよく分からなかったしこれでいいか。最近は忙しくてあんまり自分の時間がない。でも別に誰といても何をしててもこのぼんやりとした不安が拭われるわけではない。どうしようもなく淋しくて、ずっと悲しくて、たまに泣きそうな気持ちになる。そういうときはもう黙って静かに耐えるしかない。嵐のような悲しみが過ぎ去るまでやりすごすしかない。いつになれば生まれたことに心から感謝できるんだろう。あなた方が私に出会う何年も前から私が大切に大切に築いてきた城の中で、私は私の無力さに殴られ続けている。

兄のようにみんなが知ってる大きな会社で勤めているわけでもなく、大きな組織の小さな個人として搾取に近い労働をして日々を過ごしつつ、夢を見続けるのが私の限界だった。人生は真正面から向き合うにはあまりにも大きく、目を逸らしてはにかむくらいがちょうどいいんだと思った。化け物みたいな劣等感を抱えきれずに眠れない夜を何度もやり過ごして23歳になった。来年は生まれてから二度目の回り年だ。うさぎ年。子どもの頃うさぎは可愛さの象徴だと思っていたから、自分がうさぎ年に生まれたということを愚かにも誇らしく思っていた。人間のことと目の前の問題に正面から向き合いすぎだよと言われた頃を思い出す。そうだったね。あれからしばらく経って、いまは反対に、すべての事象に焦点を当てられなくなってしまった。何もかも適当。人間関係も仕事も、幸も不幸もわからない。流れるように、流されるように過ごす。朝が来るのが怖い。明日死ぬと分かっていたら。明日この世界が終わると分かっていたなら。そしたら仕事に行かなくても済むし会いたくない人にも会わずに済む、そして好きな人とも本音で話すことができる。コミュニケーションが取りたい。私の投げたボールをキャッチして。キャッチできなくて地面に落っこちても拾って投げ返して、それがどこか遠くへ行ってしまったら、一緒にボールを探して。書き言葉なら流暢なのに、話し言葉だとつっかえてどもってしまう私を知っていて。